くるみDiary

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東西冷戦を描いた【引き裂かれたカーテン】

アルフレッド・ヒッチコック監督の「引き裂かれたカーテン」(1966年)ですが、初めてこの映画を見た時、私はとても面白い作品だなと思いました。

ところがこの映画はかなり評価が低くて駄作とまで言われているのがなぜなのかよく分かりませんでした。

東西冷戦時代のスパイものなんですが、分かりやすい内容が映画ファンにはイマイチだと思われたんだろうか、難解な作品が苦手な私にとっては好きな感じの映画なんですけどね。

原子物理学者のマイケル(ポール・ニューマン)がアメリカから東ベルリンに亡命しその事を知らされていなかった助手で婚約者のサラ(ジュリー・アンドリュース)がついて行く事になるのだがマイケルはサラに売国奴とののしられていたが、実はそれはある目的があったからなのだが。

マイケルは東ベルリンに入国してから協力者の農夫の家に行くがその時、オートバイで尾行していた案内役のグロメクスパイだという事がバレて彼を殺害してしまう。

マイケルの真の目的はリント教授からロシアの実験で成功したガンマ5のミサイル研究の数式を盗み取る事だったのですが、教授を挑発させながら成功したのは良いがグロメクを殺した事やアメリカのスパイである事がバレてしまい、急いで準備していた西側脱出計画を行う事になります。

ヤコビが中心となり組織バスを路線バスと装って、マイケルとサラを乗せ10分早く出発、途中、年老いた普通の乗客や脱走兵が乗り込んで来たりなかなかスムーズには行かずとうとう、本物の路線バスに追いつかれそこで乗客を装っていた協力者達も一斉に逃げ出す事になります。

このバスのシーンもかなり緊張感がありました。

マイケルとサラの事は東ベルリンのテレビや新聞でも報道されていて脱出は困難を極めましたが、そこに予想外の人物が現れます。

アメリカに亡命したがっているポーランド人のクチンスカ伯爵夫人なんですが、アメリカに行くには保証人が必要、そうでないとビザが取れない、そこでマイケルが保証人になり大喜びのクチンスカ伯爵夫人。

喫茶店でクチンスカ伯爵夫人がロシア製のタバコを吸うシーンがあり「半分以上が紙でタバコの葉は少しだけ酷いもんよ」「コーヒーは酷い味」という東ベルリンの現状ってこんな感じだったのかなと思いました。

サラの「出国の許可は❓」という質問にクチンスカ伯爵夫人は「それは平気、私みたいな老人は邪魔者だから」というセリフがありました。

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東ドイツでは年金が受給される65歳以上になると申請すれば西ドイツに移住できたみたいですが、労働力にならない老人は出て行ってくれた方が好都合だったのかもしれませんね。

命がけでベルリンの壁を越えようとしていた若者達でしたが、65歳以上になると簡単に西側に移住できたなんて、何ともシビアな現実だなと思いました。

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その後、追って来た警官からマイケル達を助けようとしてアメリカには行けなくなってしまいました。

クチンスカ伯爵夫人、短い出演シーンでしたがかなり印象に残りました。

最後に劇場に逃げ込み観客席にいたマイケルとサラでしたが舞台で踊っていたバレリーナに見つかってしまい窮地に追い込まれます。

劇場に待機していた協力者に助けられ船で脱出を図りますが、ここでもあのバレリーナが乗船していて最後の最後までハラハラドキドキの映画でした。

映画を見ると分かると思いますがバレリーナ役のタマーラ・トゥーマノワの表情がとても怖かったです😱

ヒッチコック監督はポール・ニューマンとジュリー・アンドリュースのキャスティングには難色を示したそうですが、こうやって見ているとピッタリ合った役柄だったのではと思いました。

他の出演者も全員はまり役だったと思います。

私が「引き裂かれたカーテン」を初めて見たのが1990年代、まだ東西冷戦時代の記憶がハッキリとあり、当時はつい最近の事だったなという印象が強かったです。

同じヒッチコック作品で「めまい」(1958年)は公開当時はたいしてヒットもせず失敗作と言われていましたが、後に名作と言われるようになりました。

「引き裂かれたカーテン」もそうなってほしいと思っているのですが、いまだにそういう声は聞かれません。

個人的には好きな映画だしオープニングの音楽から引きこまれます、世間の評価など気にせずに何度でも見たい映画だなと思いました。