くるみDiary

昭和の少女漫画や日々感じた事を書いています!

終わりのない恋、アルバートさんとキャンディ

あのひととはいったい誰なのか

「小説キャンディ・キャンディFINAL STORY」を読んだ時の最初の感想です。

漫画の最終回では子供の時一度だけ出会った丘の上の王子様の正体が、アルバートさんだと分かってキャンディが駆け寄っていくシーンで終わるのですが、私は長い間、というより今もなのですがどうもスッキリしない終わり方だなと思っていました。

今までキャンディが好きになった男性はアンソニーテリィです。アルバートさんが記憶を失いキャンディと同居する事になりますが、改めて漫画の方を読み返してみるとお互い恋愛感情があるように感じました。あからさまに描いてはいないのですが、キャンディとアルバートさんはお互い惹かれあっているなと思います。

小説キャンディ・キャンディFINAL STORYにはキャンディが生活を共にしているあのひとがいますが、名木田恵子(水木杏子)さんは長年のファンの夢を壊さないように曖昧にしています。

だから何度読んでもあのひとが誰なのかは分かりません

分かりませんが、どう考えてもアルバートさんだろうなと思います。

私が気になった事はepilogue前のテリィがキャンディに宛てた手紙でした。

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キャンディ変わりはないか?あれから1年経った、1年経ったら君に連絡しようと心に決めていたが、迷いながらさらに半年が過ぎてしまった。思い切って投函する。僕は何も変わっていない。この手紙が届くかどうか分からないが、どうしてもそれだけは伝えておきたかった。

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テリィはスザナと婚約はしましたが結婚はしませんでした、その後スザナは亡くなります。でもいつ頃亡くなったのかも書いていないしよく分からないのです。上記のテリィの手紙はスザナが亡くなってから1年という意味なのか、それから「この手紙が届くかどうか分からない」とはキャンディの現在の住所が分からないからなのか、この辺がハッキリしなくて唐突とも言えるこの手紙に困惑してしまいました。

私はアンソニーが若くして亡くなってしまったのは彼が、その後の展開に関わると面倒な事になってしまうからなのではと思いました。それは、叔父であるアルバートとキャンディを奪い合うような形になってしまうからです。

アンソニーは丘の上の王子様に嫉妬している描写がありますが、キャンディの話しを聞いているうちにその人が誰なのか気づいていました。

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ポニーの丘・・・ああ、キャンディ、君の故郷だね。僕もいつか行ってみたいな、キャンディが育ったポニーの家も見てみたいし、先生たちにも会ってみたい。「約束よ!アンソニー」、キャンディは子供の頃、ポニーの丘で王子様に合ったんだよね・・・その人、心当たりがあるんだ、もしかして、僕が小さい時・・・

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この直後にきつね狩りでアンソニーは落馬して亡くなってしまうのですが、丘の上の王子様が母の弟であるアルバートではないかと思っていたので、その後のアルバートさんとキャンディの関りを考えるとアンソニーは若くして亡くなる運命だったんだろうなと思いました。

私は漫画と小説、両方読んでみて思ったのは出会い、別れ、再会という運命的な絆としてはどう考えても、アルバートさんの方が強いように感じました。

ラストのこのシーンはとても印象的です、30代になってもあのひとが帰って来たのを知ると声をつまらせながら・・・とか「おかえりなさい」と言えるだけで幸せを感じるキャンディの心情が良く表れていると思うのです。

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「灯りもつけずに、どうしたんだい?キャンディ」私をいつもときめかす優しい声、あのひとが扉の前で私を見て微笑んでいる、、私の大好きな微笑。あのひとが帰って来る車の音が聞こえなかったなんて。「おかえりなさい」私はこの言葉が言える幸せに声をつまらせながら椅子から立ち上がると、あのひとが広げた腕の中に飛び込んでいった。

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キャンディがあのひととの間に子供がいるのか、その事も書かれていませんし、名木田先生は「これは続編ではない」と言っているので書かなかったのかもしれません。

水木先生の過去の「キャンディ・キャンディ」に関するコメントを読んでみると、あのひとはアルバートさんと思わせるような発言をしています、あのひとがテリィであってほしいと願っている人にとっては、これは失言ともとれるのではないでしょうか💦

1年半後のテリィからの突然の手紙は無理やりこじつけた感じにも取れるのですが、こうでもしないとあのひとがテリィであるという可能性が無くなってしまうからそうしたのでしょう。

あのテリィの手紙は水木先生が考えた苦し紛れのように思います、ハッキリ書いてしまいますが、テリィがスザナと婚約はしたけど結婚はしなかったというのは、テリィとスザナは深い関係(肉体的な)は無かったという風にしたかったからではないでしょうか。

何年も婚約はしていて結婚はしないなんてどう考えてもおかしいでしょう、結婚はしなかったというのはそういう意味で受け取ってほしいという水木先生の願いなんだろうなと思いました。

あのひとはアルバートさんです❗

絶対、テリィではありません。

長年のファンの夢を壊しても構わないので水木先生には、あのひとはアルバートさんだとハッキリと書いてほしかったです。