くるみDiary

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見応えあり「エアポート'77/バミューダからの脱出」

エアポートシリーズの3作目、1977年公開の「エアポート'77/バミューダからの脱出」は全く期待していなかったのですが、見応えのある映画でした。

パニック映画ブームのきっかけと言われている「大空港」(1970年)は見た事はあるのですがうろ覚えな感じで、でも2組の夫婦が不倫をしているストーリーだったような気がします(ちょっとげんなり)、機内で爆発が起きて客室乗務員役だったジャクリーン・ビセットが怪我をしたのは覚えています。

それで3作目のこの作品ですが、面白くないんだろうなと思っていたのですが、冒頭から変装した犯人がうまく機内に乗り込み着々と準備を進めているというところから引き込まれてしまいました。

この映画は大勢の客を乗せている飛行機ではなく、美術品と招待客のみなので人数は少ないんです、普通の座席といった感じではなくソファーやピアノがあったり、みんなが部屋の一室でくつろいでいるといった感じなんですよ。

機長はギャラガー(ジャック・レモン)で、犯人は副操縦士のチェンバーズ(ロバート・フォックスワース)と機内に関係者として乗り込んだ数人、それとギャラガーの恋人で秘書のイブ(ブレンダ・バッカロ)も搭乗しています。

やはり乗客として出演しているエミリー(オリビア・デ・ハヴィランド)やニコラス(ジョゼフ・コットン)が印象的ですね、往年の名優といった感じで存在感があってとても良かったです。
デ・ハヴィランドは「風と共に去りぬ」のメラニーといった感じで見てしまいますね、この映画の役も品が良くてイメージに合っているなと思いました。

それで犯人が麻酔ガスで機長のギャラガーをはじめ乗客全員を眠らせてしまい、副操縦士のチェンバーズがレーダーから逃れようと低空飛行していたら油田タワーにぶつかりそのまま海に落下、麻酔から覚めたギャラガーたちの脱出劇が始まります。

この映画で知ったのは海に沈んでも機内では普通に呼吸できるんだなという事、でも次第に海水が浸水してくるようになります。
助けを求めるためにギャラガーマーチン(クリストファー・リー)が、避難信号を送れる無線の付いた救助ボートを水面に出そうとするシーンがスリリングです。酸素マスクが使えるのは2分間だけ、しかしマーチンは亡くなってしまうのですが。

飛行機の海底からの救助というのは映画としては珍しいかもしれません、それに乗客が少なかった(それは都合よく)から可能だったわけで、大勢乗っていたらなかなか助け出す事はできなかったと思います。

コメディ俳優のイメージが強かったジャック・レモンですが、こういったシリアスな役も良いなと思いました。

パニック映画シリーズって制作にお金をかけているし、オールスターキャストの場合が多いので豪華なのですが、作品自体の評価は低いんですよね、割と高めなのが「タワーリング・インフェルノ」「ポセイドン・アドベンチャー」くらいかなと思うのですが、この「エアポート'77」もそれらに負けず劣らず良かったですよ。

「エアポート'75」「エアポート'80」も観てみたくなりましたし、もう一度1作目の「大空港」からきちんと観てみたいと思うようになりました。

期待していなかった「エアポート'77・バミューダからの脱出」ですが、とても良かったです。