映画「ティファニーで朝食を」に社交界の令夫人、2E役で出演していたパトリシア・ニールの自伝を読んだ事があるのですが、彼女はジョージ・ペパードの愛人役だったので彼との共演シーンは割と多めです。
2Eという役名は作家志望の青年を囲っているアパートの部屋番号からきています。
そのジョージ・ペパードがブロードウェイデビューを飾ったばかりの新人の頃、アクターズスタジオで演技の稽古を一緒にした事があったらしい。
ペパードは「ティファニーで朝食を」の撮影時はハリウッド進出をしたばかりの頃だったのですが、アクターズスタジオで演技の勉強していた頃の謙虚な姿はもう無くなっていたそうです。
ジョージ・ペパードはいつもイライラしていて、ブレイク・エドワーズ監督がイメージしていたポール・バージャック役が気に入らず、撮影中に何かと意見が衝突し、殴り合いになりかかった事もあり、結局、監督が折れてペパードの思い通りに演じさせてしまいました。
パトリシア・ニールによると監督の描いていたポール・バージャック役をペパードがきちんと演じていれば、もっとしっかりした映画になったのにと残念がっていました。
私がジョージ・ペパードを知ったのは1980年代に放送されていたドラマ「特攻野郎Aチーム」です。
あのドラマのワイルドな中年俳優のイメージしかなかったので、その後「ティファニーで朝食を」を観た時、出演ジョージ・ペパードと書いてあったので、もしかして同姓同名の別の俳優なのではと思ったくらいギャップが凄かった😅
ずっと「絶対あのAチームのジョージ・ペパードではないよね」って疑っていました、あの痩せていて、控えめな感じの文学青年のイメージとは全然違っていたので・・・でもやっぱり同じ人でした。
まだハリウッド進出したばかりだというのに、そんな傲慢になってしまうものなのですね、監督が屈せずに自分の思った通りのポール・バージャックを演じさせていれば、また違った感じの映画になったのかもしれません。
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それからこの映画に出演するにあたってパトリシア・ニールの髪を赤く染めるという条件があったようです、理由は主役を演じるオードリー・ヘプバーンの髪が栗毛色なので、ニールのブロンドが目立ち過ぎないようにするためでした。
やっぱりブロンドって目立つ髪色なんですね、ブロンドと言えばこの映画の主役ホリー・ゴライトリー役は最初はマリリン・モンローと言われていましたが、モンローが演じていたらどんな感じになっていたんだろう。
オードリー・ヘプバーンとは体型もイメージも対照的ではありますが、この映画はオードリーで良かったと思っています。