くるみDiary

昭和の少女漫画や日々感じた事を書いています!

北島マヤと速水真澄が嫉妬するシーン

47巻で2人はとうとうお互いに、両思いであるという事を知った。
でもここまで来るのに紆余曲折がありました、そんな2人の最初の頃の嫉妬するシーンがかなり重要なんです。

2人が初めて会ったのがマヤが13歳で速水さんはマヤより11歳年上なので、24歳という事になります、この頃は2人が恋愛なんてというのはまだ見えていませんでした。

ただ速水真澄は紫のバラの人として影ながら応援していました、もちろんマヤは紫のバラの人の正体を知りません、現実はマヤから憎まれています。
私が「ガラスの仮面」で好きな所はまだお互い恋愛を意識しておらず、というよりまだ気づいていない時に、嫉妬しているシーンです。

2人が知り合ってまだそれほど経っていない頃に、マヤが友人でもある桜小路優と仲良さそうに話している所を、病院の窓から見かけた速水真澄は無意識のうちにカーテンを閉めてしまいます。

このシーンすごく好きなんですよね、速水真澄は誰にも心を許さず、恋愛なんてもってのほかという人で、それなのにマヤが他の男性と仲良くしているのを見たくないという態度がカーテンを閉めるという行動に自然と現れています。

今までの速水さんだったら絶対こんな事はしなかったと思います、この無意識のうちに行動していたというのがとても大きいと思います。

一方、北島マヤですが母親を死に追いやった憎い相手としてずっと嫌っていた速水真澄がお見合いをした事に、なぜか動揺してしまいショックを受けます。

「どうかお幸せに!」

まさか自分が速水真澄を好きになるなんて夢にも思っていなかった頃で、この感情の表現も無意識のうちに出てしまっているんですよね。

この頃の美内先生はこういった登場人物の内面的な部分を、さりげなく魅せるのがとても上手く、読者としてもときめいて夢中になって読んでしまっていたんです。

この頃と書いたのは本当にこの頃は・・・だったからです。
分かっていただけるだろうか、いつの頃からか美内先生のこの読者を魅了させるパワーが弱まってしまった気がするんです💧

初期の頃の「ガラスの仮面」のジェットコースターにでも乗っているような、スピード感やハラハラ、ドキドキの連続といったストーリーはものすごいものがありました。

北島マヤも速水真澄もその後、嫉妬するシーンは幾つか出てくるのですが、それはお互い好きだという恋愛感情をもってからの事なので、当たり前といえば当たり前なのですが、それだからこそ、この初期の頃の本人たちが訳も分からず無意識のうちに嫉妬するシーンはとても貴重だなと思いました。