映画「ダーリング」は1965年公開のジョン・シュレシンジャー監督のイギリス映画。
子供の頃から容姿に恵まれていてまわりから可愛がられて育ったダイアナ(ジュリー・クリスティ)は、20歳の時、流行のチェルシー風のファッションで歩いていたある日、街中でテレビに出演しないかと声をかけられ喜んでインタビューに応じる。
そのインタビューをしたのが芸術番組のインタビュアー兼ディレクターのロバート(ダーク・ボガード)。魅力的なダイアナに惹かれ2人は交際を始めるが、ロバートには妻子がダイアナには夫がいた。お互い既婚者であったが家を出て2人で生活する事になる。
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ダイアナはモデルや女優の仕事をするようになります。
ダイアナは妊娠するがロバートも特に嬉しそうでもなく、全てを捨てる事はできないと思ったダイアナは子供を堕ろしてしまう。退院後は田舎に住む姉夫婦の元にいたがまたロバートの所に戻ってくる、ダイアナは退屈で仕方がなく家で原稿を書いているロバートに「タイプライターを打っている仕事なんて」と何かと文句を言い、ロバートから「オーディションでも受けてきたら❓」と言われ外出する事になるのだが、この時、広告会社の責任者マイルズ(ローレンス・ハーヴェイ)と関係をもってしまいます。
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ダイアナとマイルズは2人でフランス・パリに行く事になったが、これがロバートに知られてしまい別れる事になる。
その後、チョコレートの広告に出演する事になったダイアナは撮影で訪れたイタリアで2年前に車の事故で妻を亡くし7人の子持ちのイタリア人大公と知り合い、プロポーズを受ける。
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大公夫人となったダイアナはイタリアに住み何不自由ない生活を送っていたが、次第に退屈でつまらないと思うようになり居てもたってもいられず、イギリスに帰国する。空港に迎えに来ていたロバートと会い再び関係をもつが、よりを戻したいと言うダイアナに「元に戻る気はない、昔のよしみで関係をもった」と素っ気ない態度をとりローマに戻るように手配し、車でロンドン空港に送って別れを告げる。
ストーリーはざっとこんな感じなんですが、この映画どこか少女漫画的なところがあって私は好きなんですよ。
主婦➡モデル➡女優➡大公夫人
とその間に男が関わってくるわけなんですが、ダイアナのサクセスストーリーと言いたいところではあるが、何をしてもどこに住んでも現状に満足できない性格で、いろんなものを手に入れても幸せを感じる事ができないんですよね、ダイアナって。
わがままと言えばそれまでなんですが、ダイアナを演じているジュリー・クリスティがとても綺麗でハスキーな声も魅力的で、あまり嫌な感じがしないんですよ、
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男性陣は仕事ができて遊び人でもあるクールなローレンス・ハーヴェイもいいですが、私はやっぱり少しくたびれた感じのする中年男性役のダーク・ボガードの方が魅力的に感じます。
1960年代のロンドンの街並みやファッション、流れている音楽も雰囲気がよく表れていて、この時代に興味のある人なら楽しめると思います。
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ダイアナ役は最初はシャーリー・マクレーンがキャスティングされていたそうです、そう言われてみるとマクレーンが演じてもしっくりくる役だなと思いました。
ジュリー・クリスティはこの映画でアカデミー主演女優賞を受賞しています、授賞式で名前を呼ばれた瞬間とても驚いて興奮していたので、もしかしたら本命ではなくダークホース的に見られていて、選ばれると思っていなかったのかなとも思いました。
同じくノミネートされていたのは「サウンド・オブ・ミュージック」のジュリー・アンドリュースでしたしね。
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この時代はもうカラー映画が主流になっていたと思いますが、「ダーリング」は白黒映画です、あえて白黒にしたのかなと思いました。
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最後は突き放してしまったロバートですが、実は未練があってダイアナが車を降りてからも後悔をした感じでした、それでも別れを選んだのはきっと大公夫人でいた方が、ダイアナは幸せになれると思ったのかもしれません。
でも、もしロバートとよりを戻したとしても、ダイアナの事だからまた不平不満を言い結局は同じことの繰り返しになるんだろうなと思います。
私としてはダイアナとロバートのハッピーエンドが見たかったのですが、またダイアナが離婚してとかマスコミもうるさいだろうし、現状に満足しないダイアナなので大公夫人におさまった方が良かったんだろうなと思いました。
「ダーリング」はジュリー・クリスティとダーク・ボガードが魅力的に描かれている映画だと思います。