くるみDiary

昭和の少女漫画や日々感じた事を書いています!

布浦翼 「サンデイズチャイルド」~ジェスの告白とシモンズの策略

hanae7.hatenablog.com

アンダーソン家を出て行く事になったジェス、アランナは必死で止めようとします

「あんたバカよ 二コラはあんたに夢中なのに2人で組めばこの家を乗っ取ってやる事だってできるわ、幸運が目の前にぶらさがっているのになぜ」

アランナの野望は止まる事はありません、それでも1人になる事の寂しさを感じたアランナ
この時ジェスは自分のアランナへの思いを初めて打ち明けますが

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しかしアランナは
「やめて あんたじゃ駄目よジェス 駄目なのよ」

「あたしを見てスラムのゴミ箱に捨てられた親の顔も知らない娘よ」

「あんただってそうだわ いくら気取ってみたって私たち2人、スラムのにおいが染みついている」

「そんな2人が一緒になっていったいどんな夢が見られるっていうのよ、たくさんだわ もうたくさん」

ジェスはアランナをかわいそうな女と言って去って行きます。

アランナはエドモンドに恋していたし結婚すれば贅沢な暮らしが、できると思っていたでしょう。
この頃のジェスは地位もお金も何も持っていない、この時ついて行っていればその後ボクサーとして成功していくジェスを支え、2人とも幸せに暮らせたかもしれないと思いましたが、そうなったとしてもシモンズに妨害されていたでしょうね、きっと。
シモンズはエドモンドの葬式の帰りにアランナにプロポーズをするくらいですから。

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欲しいものは何でも手に入れようとする似た者同士の、アランナをどうしても自分のものにしようとするのですが、そうは言ってもシモンズも魅力的で、アンダーソン家を破産に追いやり、人を人とも思わぬような人間ではあるのですが、何となく憎めない男性として描かれている感じだなと思いました。

これば原作者である水木杏子さんの世界なのかなと思ったり、水木先生が少しだけ「サンデイズチャイルド」の事を書いている記事があります。

カーテンが揺れる12月の小窓 漫画原作を書いていた頃 PART 3

その間、<別冊少女フレンド>では <布浦 翼さん>と組みました。
読み切りの <天使の木>……この作品は、布浦さんによると”ゴシックロマン”とのことですが、そういえば、ちょっと不思議な妖しいムードかしら。

布浦 翼さんとの連載は<サンディズ チャイルド>。”日曜日に生まれた子はなんでも夢の叶い恵まれている幸せな子…サンディズチャイルド”。この言葉に出会ってから暖めていたロマンスです。”サンディズ チャイルド”とはおよそ縁のないスラムにそだった二人。少女は<サンディズ チャイルド>にむかって、突き進んでいく…本当は誰を愛しているか知っているのに。 

​水木杏子旧公式HP内 小窓から(2000年12月後半)より

出典:https://candycandybl.weebly.com/blog/-1980#01

 

水木先生が「サンデイズチャイルド」の事を書いてあるのを知った時は嬉しく思いました。
でも欲を言えばもっといろんな事を書いてほしかったとも思ってしまいました、原作者としてこの漫画をどのように考えていたのかなど、そう思ってしまうのは「サンデイズチャイルド」に関する情報は全くといっていいほどないからです。

私は水木先生の公式HPがあったのを知ったのは今年に入ってからです、もうこのHPは存在していないようです。
2000年と書いてあるのでもう20年以上前ですね、当時このHPの事を知っていたらどんなに良かっただろうと思いました。
といっても「サンデイズチャイルド」の事はほとんど書かないと思いますが、時代的に「キャンディ・キャンディ」裁判に関する事だったかもしれませんね。

ジェスが昔の仲間と喧嘩をして大ケガをする・・・で1巻が終わります、2巻になると登場人物に関してまた違った見方をするようになります。

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