大ケガしたジェスをジェスが住むアパートで手当てをしてあげた二コラ、大事な試合を控えているのにこんな無茶な事をするのは、アランナが原因だという事には気づいてはいました。
「サンデイズチャイルド」のヒロインはアランナですが1巻を読むとアランナはとても魅力的な女性でそれに野心家であったので引き込まれていく感じがありました。アランナの事を3人の男性が好きになりますがそれも納得だなと思いました。
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私はアランナとジェスがハッピーエンドとして最終回を迎えたのは嬉しかったのですが、この漫画を何度も繰り返し読んでいくうちに違う感覚をもつようになりました。2巻のほうはアランナよりも二コラのほうが魅力的に描かれていると私は思いました。
アンダーソン家のエドモンドと二コラの兄妹は大金持ちの家で生まれ育ちましたが、少女漫画でよくありがちなわがままで意地悪な感じは全くありませんでした。どちらとも控えめな感じなのです。
兄のエドモンドと違って二コラは家が破産してからもウェイトレスの仕事をしながら、くじける事なくしっかりと生きていました。
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ジェスの目が失明の危機にされされていると知った時も、試合に出場するのはやめてほしいと懇願しましたが、ジェスはアランナに認めてほしいという気持ちが強くやめる気はありませんでした。
「あなた間違ってる意地や名誉のためだけに戦うの?」
「チャンピオンベルトなんかにいったいどんな意味があるっていうの」
「お願いジェス 試合なんてやめて、あなたを失いたくない」
「少しでも私の事を思ってくれているなら私のためにボクシングを捨てて」
「私じゃだめなのジェス・・・私じゃ・・・」
二コラにとってジェスは初めて好きになった男性であり、ジェスがアランナの事を好きだと知っていてつらくもあったが、それまでその事を口にせずずっと思っていたし、ジェスの生まれや育ちなど関係なく純粋に好きだという気持ちでいたのは、アランナとは対照的なんですよね。
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だから私はジェスにはアランナよりも二コラの方がお似合いだと思ったし、二コラと一緒になったほうが絶対幸せになれると思うようになったんですよ。
今でもそう思っています。
ジェスには二コラの気持ちを受け入れてほしかったなと。
チャンピオンになったジェスはアランナのために郊外に家を買いましたが
ジェスはアランナに目が見えなくなってしまうという事を言えず、本当はアランナと結婚してこの家に住みたかったのだがそれもできず。
「ひと月 いや、1週間だけだっていい 俺のそばにいれくれればそれでいいんだ」
「好きなだけの贅沢はさせてやる、シモンズなんかの倍もいい思いもさせてやる、だから」
アランナはこの時シモンズとの結婚が決まっていましたが、一生そばにいてほしいと言ってくれないジェスになぜという気持ちと、やっぱり二コラの事が好きだからなのではという疑念があったのではと思います。
アランナはずっと気持ちが揺れ動いていて、シモンズの事は好きではなかったがサンデイズチャイルドになる事を諦める事ができず、それでもアランナはシモンズと結婚しても満足できたと思います。
子供の頃から贅沢な暮らしがしたいという願望が強かったし、シモンズの方もそれまで結婚したいと思うほどの女性は現れなかったみたいなので、とても大切にしてもらえたと思います。
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問題はジェスですね、ジェスはアランナ以外は愛せないというか、もしアランナがシモンズとあのまま結婚していたら、ボクサーを引退して二コラと結婚していたのかなと思うとそれはないように思うんですよ。
ずっと1人で生きていくのではないのかなと。
でもこんな事を書いたら「サンデイズチャイルド」の本来の意味が無くなってしまいますね。
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それでも私がこういう事を書いてしまうのはやはり二コラの魅力を知ってしまったからで、だんだんアランナに感情移入できなくなってしまったからなんですよ。
アランナがとてもわがままで自分勝手に思えてしまって、でもジェスはそんなアランナが好きなんでしょうね、きっとアランナと一緒にいれるだけで幸せなんでしょう。
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今となっては登場人物の中で私が好きなのはジェスと二コラなんですが、この漫画の続編が読みたかったです。読み切りでいいので、アランナとジェスは結婚してその後どうなるのかなとか、アランナの事だからやっぱり貧しい生活は嫌とかまた言わないかなとか思ったり、ちょっと心配💦
でも続編は無理でも「サンデイズチャイルド」のその後はどうなったかといった話しは、水木杏子さんか布浦翼さんが少しだけでもいいので触れてくれると嬉しいんですけどね。
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私は好きな少女漫画は他にもあるけれど、一番好きな作品は何かと聞かれたらやは「サンデイズチャイルド」になりますね。
こんなに長い間ファンでいるっていうのも私としては珍しいです、単行本の1巻はかなり傷んでいて読めなくなったらどうしようかと心配。
もう40年も経っていますからね。