くるみDiary

昭和の少女漫画や日々感じた事を書いています!

今でも好きな「つりばしわたれ」長崎源之助

「つりばしわたれ」は小学生の時、読んでいて好きな絵本でした。

母親が病気になり東京から田舎のおばあちゃんの家に住む事になったトッコの物語です。

意地っ張りのトッコは東京の自慢話ばかりしていたので、地元の子供たちと仲良くできずにいました。ある時

「悔しかったらつりばしわたれ」と言われます。

トッコはつりばしが怖くてわたれないのです、でも弱みを見せたくないので意地を張りいつも一人でいました。

ある日、山に向かって「ママー」と大きな声で呼ぶと「ママー、ママー」とかえってきました。仕事をしているおばあちゃんにその事を話すと、それはやまびこだと教えられます。トッコは面白くなって「おーい、やまびこー」と呼ぶと同じようにかえってきて、その時カッコウが横切ります。

そこにはカスリの着物を着た男の子が立っていました。「あら、あんたいつ来たの?」と聞くと「あら、あんたいつ来たの?」と真似されます、その後もトッコが何かを話しかけるたび、男の子はトッコの真似をしてからかいつりばしを渡って行き、トッコも後を追いかけていきます。

トッコはもうつりばしを怖いと思わず、無事にわたる事ができたのです、それを見ていた地元の子供たちから「わたれたからいっしょにあそんでやるといわれトッコは山の生活を楽しめるようになりました。でもその男の子は二度と姿を現す事はありませんでした。

実はこの物語はファンタジーなんですよね、私はファンタジーは苦手なのですが「つりばしわたれ」は好きなんです。

私は幼稚園の時から不登校気味で無理して通っていた病んだ子供だったので、この男の子のような人か何だか分からない誰かが突然現れて、弱い自分を強くしてくれるようなきっかけを与えてほしかったんだと思います、小学校低学年の時は担任の教師にいじめられていましたし、トッコが羨ましいと思っていました。

この絵本でつりばしの存在を知りました。とても怖そう、いつか渡ってみたいと思っていますがいまだに実現していません。

「つりばしわたれ」はもう絶版になっているみたいです、人じゃない何かが現れてもしかしたら勇気と希望をもつことができるかもしれないという良いお話しなんですけどね。

悩んでいたり、メンタルが弱い子供(大人にも)に読んでほしい絵本だと思います。