くるみDiary

昭和の少女漫画や日々感じた事を書いています!

謎の最終回「ジョージィ!」いがらしゆみこ

1982年から週刊少女コミックで連載されていた、いがらしゆみこさんの「ジョージィ!」ですが、初めの頃は面白いと思って読んでいました。
でも次第に麻薬とか幽閉とかかなり暗くて重い感じのストーリーになって行き、ちょっと読むのがキツイかなって思った事もありました。

最初にジョージィが好きになるロエルですが、全く魅力を感じませんでした💧普通、王子様系はすぐに惹かれるのですが・・・でも話が進んでいくうちに、ロエルはそういうキャラクターだったんだなという事が分かりました。男性で魅力的なのが兄弟であるアベルアーサーという設定だったんでしょう。
だから最初から読者がロエルには惹かれないようになっていたんだと思います。

最初は性格がきつそうに見えた婚約者のエリーズですが、ロエルに対する思いは深くてむしろ病気になって、ジョージィによって戻されたロエルを献身的に看病する姿を見て印象が変わりました。

そういう事もあってかジョージィとロエルとの別れは特に読んでいてつらいとか思わなかったですね、あの生活では別れた方がお互い幸せになれると思いましたから。

私は初めの頃はアベルが好きだったのですが、前述したように重たいテーマとなって読んでいくのがつらいというか、登場人物で誰が魅力的かなんて事も感じなくなってしまいました。
これって私としては、かなり珍しいケース。

さらに驚くのがこれだけ重い内容の作品をアニメ化した事です。とは言ってもアニメの方は原作とは多少の違いはあるのですが、子供が見るようなアニメなのによく許可したなと思いました。

正直言うと、いがらし先生の作品をアニメ化するんだったら「メイミー・エンジェル」の方が良かったなと思いました。でも「キャンディ・キャンディ」が終わってから次の作品だったので2作続けてのアニメ化は難しかったのかもしれません。

アーサーの身代わりにアベルが幽閉される事になりますが、この頃からそれまで何とも思っていなかったアベルの事をジョージィが好きだと自分の気持ちに気づくのですが、危険をおかしてまでアベルに会いに行くジョージィ。

アベルは処刑されてしまうのですが、ジョージィは妊娠していました、それはアベルの子供です、その事を告げられてからジョージィの腕の中で亡くなるのですが。

ヒロインであるジョージィにはあまり感情移入はできなかったですね。
アベルは子供の頃からジョージィの事が好きでしたが、成長してから告白されても拒絶したし(それはすでにロエルの事が好きになっていたというのもありますが)アベルの事を1人の男性としては興味がなかったんですよね。
それが突然アベルの事を好きになったというのもよく分からなかった。

ジョージィも捨て子で養母に冷たくされながら育ち不幸ではあったのだけれど、キャンディみたいに応援したいとかそんな気持ちにはならなかった、上手く言えないのですがなんとなく共感できなかったんですよね。

そしてさらに分からないのが最終回です、アベルの子供を産んだジョージィはオーストラリアに帰国、そこでいたのは助かって無事だったアーサー。
これはどういう事なんだろう、ジョージィはアーサーと結婚してアベルの子供を育てるんだろうか、それとも恋愛には発展せずに兄と妹として暮らして行くんだろうか、など謎な最終回でした。

「ジョージィ!」はどれくらいヒットしたのか分かりませんが、アニメ化もされているので知っている人も結構いるかもしれません。
「キャンディ・キャンディ」の最終回のラストシーンも曖昧でよく分からなかったですよね、いがらし先生のアニメ化された作品って共通しているのかな。

少女漫画にしてはかなり重たい内容だったな、という印象の作品でした。