1990年代に吉永小百合さんの自伝「夢一途」を読んだ事があります。
子役としてすでに芸能活動していた吉永さんは、第一志望の都立駒場高校に合格し入学しますが、仕事が忙しくなかなか授業を受ける事ができませんでした。
担任の教師から「体育の出席日数が足りません、他の科目は試験の結果やレポートで補える事もできるが体育はどうしようもない、体育の教師は進級を認めないと言っている」
と言われ芸能人が数多く通っている私立のS学園に転校する事になります、このS学園ですが私が昔読んだ文庫本では精華学園と書いてあったと思いますが、2000年に発行された本にはS学園と校名が伏せてありました。
精華学園は美空ひばりさんや同じ日活女優の和泉雅子さんなどが卒業されています、今の堀越学園みたいな感じの学校だったのかなと思いました。
吉永さんは一生懸命勉強して入学した都立駒場高校から転校するのは嫌だったのですが、仕事のためやむを得ずという感じだったようです。
ほとんど授業に出られなかった吉永さんはS学園を卒業する事はできませんでしたが、その救済措置として選抜校友という名目で送り出してくれます、これは卒業証書はあげられないが、校友に準ずる扱いだというもの。
当時S学園に通っていた多くの芸能人のための制度でした。
しかし吉永さんにとって選抜校友は屈辱的でいやらしさを感じるほどのものだったようです。
そんな思いから文部省の大学入学資格検定を受ける事になります。
当時は14科目合格しなければいけなかったと思いますが、S学園で5科目取得して認定されていたので、残りの9科目を受験する事になります。
大検を2年にわたって受けましたが物理の試験に失敗し合格できませんでした、たった1科目と言っても翌年合格するか分かりませんし、何年もかかってしまう場合もあります。
そこで吉永さんは早稲田大学で行われている検定試験を受けて1965年3月早大を受験する権利を得たのです。
その後、早大第二部文学部の試験に合格し卒業しています。
🍏
私はこの本を読むまで吉永さんが大検を受検していた事は知りませんでした。
私はこの時、大検を合格した後だったので1科目だけ落ちしまい、合格できなかったという残念な気持ちはとてもよく分かりました。
当時は年に1回しか試験を実施していませんでしたし。
吉永さんのように最初から早大に進学したいという気持ちがあるならば、その大学独自の検定試験を受けて卒業するという方法も有りなんですよね。
S学園選抜校友に納得いかなかった吉永さんの頑張りが早大卒業につながったのだと思いました。
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